【障害年金が出ない発達障害者の現実】「働けるだろ」で切り捨てられる俺たち

看護

1. 「働けないわけじゃない」って何だ

「働けないわけじゃない」。
本当にこの言葉が嫌いだ。

確かに俺は就職すること自体はできる。
履歴書も書くし、面接にも行く。
採用もされる。

でも続かない。
続けられないんだ。

職場に入るとすぐに壁にぶつかる。
指示の意味がわからない。
説明が抽象的すぎる。
言葉の裏を読むことができない。
「何度も同じことを言わせるな」と呆れられる。
質問するのも怖くなる。

タスクの優先順位をつけられない。
「臨機応変に」なんて言われた瞬間、頭が真っ白になる。
マルチタスクを求められ、どれも中途半端で叱責される。
笑顔を貼り付けて謝り続ける。
段々と周囲から無言の「距離」を置かれる。

家に帰ると自己嫌悪と後悔でぐちゃぐちゃだ。
「また同じだ」「また辞めるのか」。
不安で寝られず、翌日もぼんやりしてミスをする。
もう、ダメだと思う。
逃げるように辞表を出す。


2. 履歴書に刻まれる「続かなかった証」

次の就活でその履歴書を出す。
面接官が目を細める。
「これ、どういうこと?」
「短期離職が多いね」

その声色に隠せない軽蔑を感じる。
「努力しなかったんだね」とは言わない。
でも目がそう言ってる。

俺も説明できない。
「コミュニケーションが苦手で」
「指示をうまく理解できなくて」
「パニックになってしまって」
そう言うと、ますますドン引きされるのがわかる。

「障害者雇用なら大丈夫だろ?」って言う人もいる。
でも実態は「軽度」なら健常者並みを求められる。
「重度」なら配慮が手厚いが、そもそも求人が少ない。
中途半端な俺たちはどこにもはまらない。


3. 「特性を活かす」って嘘だろ

支援機関は言う。
「特性を活かせる職場を探しましょう」
「強みを見つけましょう」

でも、俺の特性ってなんだ?
・マルチタスクが無理
・急な変更に弱い
・空気を読むのが下手
・相手の意図を汲めない
・雑談で人間関係を築けない
・深読みしすぎて会話が不自然

どれも職場で嫌われる要素だ。
強みじゃなくて、ただの「使えなさ」だ。

支援員の前では「頑張ります」「次は続けます」って言うけど、心の中は真っ暗だ。
「もう無理だろ」「どこにも居場所なんかない」。
自分で自分に吐き捨てるように思う。


4. ブラックな仕事しか選べない

それでも生活しないといけない。
だから仕事を選ぶ。
いや、選ぶんじゃなくて、残ってる仕事にしがみつく。

時給は最低賃金ギリギリ。
誰でもできる単純作業だから、誰でも切られる。
人手不足だから採るけど、定着は望んでない。

障害者雇用なのに「配慮?なにそれ?」
「他の人と同じように働いてよ」
「うちは甘くないから」

精神障害者枠で入っても、数ヶ月で追い詰められる。
支援員が「もう少し続けてみましょう」と言っても、会社から「もういらない」と言われたらそれで終了だ。


5. 「障害年金」という最後の希望

こんな働き方では生活できない。
家賃も払えない、食費も切り詰める。
親に頭を下げて同居を続けるしかない。
40歳近いのに「子供部屋おじさん」だ。

それでも親も老いる。
「いつまでいるつもり?」と目が言う。
追い出されるのは時間の問題。

そこで障害年金を申請しようと思った。
「短期離職を繰り返している」
「働こうとしても続かない」
「社会生活が成り立たない」

医者も診断書を書いてくれた。
支援者も「出る可能性はある」と言ってくれた。


6. 申請の現実

役所に行くと、窓口は事務的だ。
「働いているなら出ない場合もありますよ」
「申立書はしっかり書いてください」

働いた履歴を全部出す。
短期でクビになった会社の離職票を並べる。
自分の無能を証明する資料だ。

何度も自分を説明する。
「すぐに怒られる」「同僚とうまくいかない」「パニックになる」
「すぐに辞めるしかなくなる」

頭を下げて「助けてください」と言った。
本当に、あの瞬間だけはプライドを完全に捨てた。


7. 「働けるでしょ」で終わる審査

そして審査結果。
「不支給」。

理由ははっきりしている。
「働けてるでしょ」
「何社も採用されてるじゃないですか」
「短期でも雇われてた=労働能力あり」

働ける。でも続かない。
その現実は「働けた」という一点で全部切り捨てられる。

年金事務所は同情もせず、ただ基準を読み上げるだけ。
「決まりなので」「仕方ありません」。

泣きたくても涙も出なかった。
ただ、「終わった」と思った。


8. 「自己責任」なんて言葉はいらない

誰も「努力不足だ」「甘えるな」とは言わない。
そんな言葉はもう時代遅れだ。

でも空気は言ってる。
面接官の乾いた笑い。
支援員の「次こそ続けられるといいですね」という言葉。
親のため息。

「お前のせいだろ」って、みんな思ってるのがわかる。
「ちゃんとやってる人もいるのに」って目で見てくる。


9. もう歳を取るだけ

年金も出ない。
生活保護は「親と同居ならダメ」。
家を出る金もない。
正社員はもう無理。
ブラックの派遣ですら履歴書を見て「うーん」と言われる。

年齢だけが増える。
40歳、50歳になっても同じだろう。
どこも雇わない。
体力も気力も落ちていく。
親は死ぬ。
孤独と貧困だけが確定している。


10. 誰も助けない現実

「障害は自己責任じゃない」
「社会全体で支えよう」

耳障りのいい言葉は溢れている。
でも支援制度は「働けるなら出さない」。
雇用は「続けられないならいらない」。
家族は「いつ出て行くの」。
社会は「お荷物はいらない」。

これが「軽度」発達障害者のリアルだ。
支援も制度も隙間をすり抜けて、最後は自己責任に戻る。
生きていけないのに「働ける」と言われる。


「障害年金が出ない」って一言は、
「お前は自分でなんとかしろ」という最終通告だ。
でも、俺にはもう何も残ってない。
これ以上どうしろっていうんだよ。

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