
1.「求人サイトを見るたびに」
「正社員募集」「未経験歓迎」「長期安定」
画面の向こうにはそんな言葉が並んでる。
クリックすると、職務経歴書をアップロードしろって言われる。
開くたびに、短期離職だらけの履歴がこっちを睨む。
「何度書き直してもダメだな」
心の中でそう呟く。
それでも応募する。
送るたびに、「また落ちるんだろうな」って思ってる。
でも送らないと詰む。
金がなくなる。
働かないと死ぬ。
2.「面接という弁明会」
呼ばれることも減った。
それでも何社かは面接まで行けた。
でも中身はただの尋問だ。
「この空白期間は?」
「なぜ短期で辞めた?」
「長期的に働く意思はありますか?」
言われるたびに嘘を考える。
「自己成長を考えた結果でして」
「ミスマッチを反省して」
言ってて恥ずかしい。
目の前の面接官が「また嘘ついてる」って顔をしてるのがわかる。
でも黙るわけにもいかない。
3.「スキルが足りない、経験がない」
求人票は「未経験歓迎」と書くくせに、
「即戦力を求めています」とも言う。
「成長意欲を重視します」と言いながら、
「実務経験がないのは不安ですね」と切り捨てる。
研修があるって書いてあるのに、
「同業他社でのご経験は?」って真顔で聞く。
短期離職が多いのも理由になる。
「続けられる自信はありますか?」
「……はい」
声が震えるのを抑えるので精一杯だ。
4.「年齢という見えない壁」
20代ならポテンシャル採用?
俺はもう30代後半だ。
「まだ若いでしょ」って周りは言うけど、求人は言わない。
求人は正直だ。
「30代可(経験者のみ)」
「20代活躍中」
未経験歓迎のはずなのに、「30代未経験」はお断り。
「若い子のほうが素直だから」って面接官が笑ったこともある。
そのとき、「ああ、俺はもう無理なんだな」って骨に刻まれた。
5.「エージェントも匙を投げる」
転職エージェントにも相談した。
「キャリアの棚卸しをしましょう」
「短期離職をポジティブに伝えましょう」
耳障りのいいことを言う。
でも結局、「この経歴だと紹介できる求人が限られます」
って言われる。
「ご自身でのご応募も検討してください」
それ、要するに「自力でやれ」だ。
スキルアップ?
金も時間もないよ。
今すぐ仕事しないと生きられないんだよ。
6.「生活費が減る音」
面接の日はスーツをクリーニングに出す。
交通費がかかる。
昼を外で食う。
財布が軽くなる。
面接に落ちるたびに、「あの金があれば米が買えた」と思う。
面接って投資だろ?
でも、何も回収できない。
日雇いで繋ぐしかない日もある。
夜勤の倉庫。
汗だくで段ボールを積む。
時給はギリギリ生活費に足りるくらい。
その日暮らし。
でも正社員になる夢だけは捨ててないフリをしてる。
しがみついてないと、落ちる音が怖い。
7.「誰にも話せない」
親には「頑張ってる」って言うしかない。
「面接は進んでる」って嘘をつく。
もう期待もしてないのに、心配されるのがきつい。
「まだ正社員になれないの?」
「焦らなくてもいいんじゃない?」
その言葉に救われるフリをする。
でも内心は、「もう誰にもわかってもらえない」って思ってる。
友達にも言えない。
既婚の奴ら、昇進した奴ら、みんな別世界だ。
飲みに誘われても行かない。
金もないし、近況を話せない。
「最近どう?」って聞かれるのが地獄だ。
8.「それでも、明日も求人を見る」
正社員になりたい。
それは変わらない。
変えられない。
非正規で繋ぐ生活は不安定すぎる。
病気になったら終わり。
老後なんか考えられない。
保険も有休もボーナスも、俺にはない。
だから求人サイトを開く。
履歴書を直す。
送る。
落ちる。
面接に呼ばれる。
落ちる。
泣きたくなるけど泣けない。
もう泣く元気もない。
9.「終わらない」
「転職活動」って言うけど、
これ、ただのサバイバルだろ。
仕事がないと死ぬ。
でも仕事が決まらない。
スキルも経験も年齢も、全部詰んでる。
なのに社会は「人手不足」って言う。
「働けるのに働かない人が多い」
「選り好みしすぎ」
「やる気があれば」
笑わせるなよ。
選べるわけないだろ。
でも選ばれないと、終わりなんだ。
このゲームは、終わらない。
俺が死ぬまでは、ずっと。

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