こんばんは。Kです。
昨日は『職場に入って最初に覚える事』を紹介しました。
今日はその続きの『看護業務ができるようになる方法』です。
結論から言っておくと時間管理について+仕事の頼み方です。
話のポイントだけ知りたい方は文字サイズの大きい所と黄色のマーカー部分だけ読んで下さい。
個別具体的な手技や記録の書き方、知識の紹介ではないことは先に申し上げておきます。
さて、看護師といえば大変な仕事ランキング上位に毎年選出される職業です。
きつい仕事(大変な仕事)ランキングベスト40【精神的肉体的にキツイ】を徹底解説! | 給料BANK (kyuryobank.com)より引用
看護師の仕事の大変さはどこから来るのでしょうか。
夜勤があるから?
人の生死に関わる仕事だから?
毎日うんちやおしっこなどの排泄物に触れないといけないから?
全て正解です。
しかし、実際働く者として『仕事が大変』だと感じる部分はどこにあるのか?を考えてみました。
その結果をお伝えしていきます。
看護師は業務量多すぎる問題
看護師の業務1個1個はそこまで大した内容ではなかったりするのですが、
とにかく定時業務+イレギュラーな業務が重なってきます。
ぶっちゃけ、看護師の仕事が楽か大変かの大きな違いはこの『イレギュラーな業務』の量です。
後は外科系や脳・呼吸器・循環器辺りの状態の変化=即生死に直結する部署。
対応が遅れると取り返しの付かないことになるので当然大変ですね。
そして周りのスタッフの協力が得られやすいかどうかも仕事の効率に大きく関わってきます。
それなりに規模が大きい病院の部署で働く場合、
自分1人だけでは絶対に仕事が終わりません。
先生はもちろん他の看護スタッフ、医療事務さん、介護士さん、補助者さん、その他職種の方々の力もフル活用しないと終わりません。
なぜなら、看護師の仕事の守備範囲が広すぎるからです。
ドクターXの大門未知子は自分の仕事以外『致しません』と言って断れますが看護師は無理です。
法的には看護師の業務は
①診療の補助
②療養上の世話
となっていますが、現実は何でもやらされます。
患者さんとの世間話から食事・服薬・運動指導。食事の世話から下の世話。内服管理に投薬管理。
全身状態の観察から管理まで。病床でのリハビリ、体操。付き添い・見守り・搬送。
入退院に関するあらゆる手続きに家族トラブルの相談役。医師の回診、処置の介助。
細かいことまで挙げると仕事内容だけで1時間は喋れそうです。
つまり、どこまでが『診療の補助』『療養上の世話』かが明確でないのです。
良く言えば『多職種連携の橋渡し』『患者さんのあらゆる問題に介入できる』
悪く言えば『病院の何でも屋』『医療業界最前線で戦うソルジャー』といった所でしょうか。
何も考えずに1人で仕事をしようとすると8時間では全然足りません。
毎日夜遅く~日付が変わるまで残業することになってしまいます。
ではどうしたらいいのか?
時間の使い方を考える
看護業務ができるようになるにはいくつか方法があります。
1つ1つの手技・観察・記録の知識と技術を身に着ければもちろん仕事はより高度で正確なものになり、早く終わります。
しかし、一朝一夕で何とかなるものではありません。知識や技術が定着するまで時間がかかるのです。
今回紹介するのは明日から出来て効果のある方法です。
ずばり、時間の使い方を見直してみましょうというお話です。
これは私が新卒の時の指導担当から叩き込まれたやり方になります。
では早速実践していきましょう。
①1日のスケジュールを洗い出してみる
まず最初にやるのは、スケジューリングです。
1日のうち、どの時間に、何をやるか決めるということです。
看護師の場合定時業務が決まっていますから、必ず時間でやらなければいけないことから紙に書き出してみましょう。
A4のノートでもいいですし、仕事中見返せるように手元のメモ帳に書いてもいいです。
慣れると頭の中でスケジュールが整理できるようになってきます。
8:30 始業 申し送り
9:00 検温・バイタル回り
私は↑のように縦書きにしていましたが、あなたが分かりやすいように書いてください。
病棟勤務ならこのように部屋ごと・患者さんごとにしてもいいですね。
1日の始まりから終わりまで、全ての定時業務を書き出すようにしてください。
②今の自分の能力で業務にかかる時間を見える化
あなたは自分の業務1つ1つに何分かかっているか答えられますか?
答えられない場合はそれが原因で仕事が進まなくなっている可能性があります。
①の画像でネタバレしてますが、1つ1つの業務に自分の能力では何分かかっているか調べてください。
遅くても確実に終わらせられる時間で見積もりしておくのがコツです。
バイタル〇分、清拭〇分、食事介助〇分、おむつ交換〇分など。
食事介助やおむつ交換は患者さんの状態によって所要時間が変わりますので、担当の患者さんごとの所要時間を把握しておくのがベストです。
自分の仕事に何分かかるか分かっていると、次の仕事までの空き時間に業務を挟めるのか、
それとも間に合わないので後回しにするのかといった判断が付くようになります。
緊急の入院や検査と言った業務が飛び込んできても冷静に対処できるようになりますよ。
私の感覚では、仕事のスケジューリングは業務をブロックに例えてテトリスを組んでいるような感じです。
③誰かに頼める仕事は全部振る
業務効率化3つ目です。
実はこの③が一番やっている人が少ないです。なぜでしょう。
①②は機械的に手順に沿ってやれば1人で出来るのですが、③は自分から人に『タイミングをみて声かけして依頼する』という間を読む能力とコミュニケーション能力が要求されるからです。
しかしこれが出来ると仕事は一気に楽になります。
①は勉強で言うと夏休みの宿題がどの位あるか数える段階です。
②は①をふまえて宿題を終わらせるペースを計算、計画を立てる段階。
③は友達と宿題を分担してやることにあたります。
実際に宿題=業務量が減っているのは③だけなのです。
看護師はとにかく業務量が多いというお話をしました。
その業務の中には『これやるの私じゃなくていいよね?』というものも混ざっています。
あなたが良い意味で『お人良し』や『1人で抱え込むタイプ』だった場合。
何でも言われたままに仕事を引き受けてパンクする可能性が高いです。
いくら仕事を覚えて業務をこなすスピードが速くなったとしても、0にはできません。
やらなくてもいい仕事を抱え込むことは『自分の首を絞める』ことになってしまいます。
あなたの部署に『仕事を人に押し付ける』『全然仕事しない』スタッフがいた場合。
その人達はある意味究極の仕事削減法をしていることになります。
人間としては終わってると思いますが、自分の業務を減らす方向性としては『自分が急いで仕事を終わらせる』よりも『誰かにやってもらう』が最強なのです。
※『仕事を押し付ける』と『仕事を依頼する』の違いですが、
あくまでも『自分の仕事が回らない可能性がある時に緊急でない仕事を依頼する』のであって、
『自分に余裕があるのに仕事しない』『何から何まで人任せ』ではありません。
私もどちらかといえば『コミュ障』寄りなので人に何かを頼むのは苦手です。
最初は全ての振られた仕事を1人でこなそうとしましたが、残業とインシデントとお局からの罵声が増えるだけでした。
病院での仕事、病棟業務に関しては『人に任せられるものは任せないと自分が苦しむ』のです。
必要な仕事と不要な仕事を分別しよう
では実際に人に仕事を頼むにあたってどうしたらいいのか。
まずは『頼む仕事』と『自分でやる仕事』を分けましょう。
①で書き出した定時業務は基本的には自分でやります。
部屋持ちなら担当は自分ですし、時間でやらなければいけないのが決まっているからです。
より優先する仕事が入って手が回らない場合は定時業務を他のスタッフに依頼しましょう。
この定時業務を基準にしてより優先するものは『自分でやる仕事』に、『後回しにできる』『やるのが自分でなくてもいい』ものは『頼む仕事』にします。
例を挙げると、患者さんの急変・臨時で出た採血や点滴・緊急入院・オペ出し・申し送り・患者さんの安全が損なわれるような行動(転倒・転落など)は優先度が高いです。
まとめると、『重症度が高い』もしくは『緊急性が高い』です。
今しか出来なくて、今やらないとまずいことになることです。
反対に『依頼できる仕事』は食事介助・排泄介助・トイレ介助・定時更新の点滴や経管栄養・緊急性のない異動を伴なう検査・バイタルチェック・血糖測定など。
これらは他に優先することがある場合はある程度後回しにできるか、人に頼める仕事です。
優先する仕事とは反対ですから、『重症度が低い』『緊急性が低い』業務になります。
仕事を分けたら、さっそく頼めるものから人に依頼していきましょう。
自分の使える時間が増えればスキマ時間で記録もできますし、優先度の高い仕事にも取り掛かれます。
本当にケアが必要な患者さんにも時間を使えます。なにより余裕があると精神的に楽です。
時と人をみて仕事を依頼しよう
仕事を頼むと言っても、あなたは新人、もしくは若手です。
いきなり下っ端が『〇〇さんのこれお願いします』と頼んだ場合、目を付けられたり罵声を浴びる可能性もあります。
誰かに何かを頼むにはタイミングと人選びが重要です。
明らかに自分に協力的でない人には最初から頼んではいけません。
患者さんの急変時など生死に直結するような時は近くにいたら声かけますが…
【新卒】【転職】新しい職場で最初に覚えること【人間関係】 – Nurse-K’sBlog (investnursek.com)
で紹介したように、前提として職場のスタッフの名前と性格はある程度リサーチしておきましょう。
・今日の出勤メンバーの中に仕事を頼めそうな人はいるか?自分に協力的か?
・今仕事を頼みたい相手は他の業務で手一杯でないか?依頼したら受けてくれる余裕があるか?
・相手が依頼を受けてくれそうな頼み方になっているか?
この辺は常に頭に入れときましょう。
『依頼する時は自分が他の緊急・重要な仕事があることを伝える』『相手への誠意や謝罪・感謝は忘れずに』
『相手が困っている時はこちらが積極的に協力する』など、
相手があなたの依頼を受けてくれやすくなるような環境づくりは常にしておきましょう。
※あなたが親切・丁寧に接しているのに一方的に無視・意地悪・非協力的である
そんなスタッフがいたら、それはあなたが嫌われているか相手が人間として終わっている奴か
のどちらかなのでなるべく関わるのはやめましょう。
【お局】【上司】職場の『ヤバい人』から身を守る方法【プリ】【同期】 – Nurse-K’sBlog (investnursek.com)
対策はこちらでも紹介しています。
誠意や信頼というのは積み重なっていくものです。
日ごろからあなたが相手に対してきちんと感謝や謝罪・協力的な態度や行動を取っていればまともな人はそれに応えてくれます。あくまでも『まともな人』です。
誰でも親切にすれば親切で返ってくる訳ではないということは先に言っておきます。
相手がきちんとした人なら、あなたの信頼が積み重なってきた時点で『仕事を頼んだら快く引き受けてくれる』ようになりますし、もっと言えば『向こうから進んで仕事を手伝ってくれます。』
この状態を目指せるようにがんばりましょう。
今回は時間管理2つと仕事の頼み方について書いてみました。
2日かけて書いたのでかなりの量になってしまいました。
この記事を読んで少しでも仕事に役立ててもらえたら幸いです。
それではここまで読んでくださってありがとうございました。
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