こんにちは。
人生2度目のコロナから立ち直り、無事に体調も回復しました。
ようやく元気な状態でブログ書けるようになりました。
というわけで、最近書きたかったネタで書いてみます。
障害者雇用に資本主義が入ってきた
これは最近、私が障害者雇用に関わっている中で感じていることです。
どういうことかというと、障害者雇用の雇用側も、就労支援側も、どちらも企業というケースが増えてきました。
そんなの当たり前だろ、と思う方もいるかもしれませんが、10年前20年前は雇用側も支援者側も福祉系の法人や行政系の機関が多かった時代もあったのです。
それが、ここ5年10年で急速に営利企業の参入が増えてきました。
営利企業が増えるとどういうことが起こるかというと、まず雇用側、つまり就職先が営利企業の場合、福祉事業ではないのでスキルや能力、学歴、職歴、経験といったものが求められます。
これに当てはまるのはいわゆる大企業や有名な会社が多いです。メリットは給料が高く、一般雇用と変わらないレベルの年収で働くことができます。福利厚生も手厚い事が多いです。
メリットが大きい分、入社するハードルも高いです。一般就職よりはライバルも少なく、求められるハードルも低いですが、そもそも障害者雇用なのでスタートラインが違います。
いわゆるハイスペック障害者でないと受からなかったりします。軽度の身体障害であったり、元々一般雇用でバリバリ働いていたが鬱病になってしまった…など。
障害者雇用で大企業に入る一番簡単な方法は、障害者雇用専用のエージェントを使う事です。これにはちゃんと理由があります。
転職エージェントは基本的に就職が決まった人の年収の30~40%を手数料として企業からもらいます。年収400万円で40%なら160万円です。高いですよね。
これだけのお金を払えるのは、企業体力があって、お金を持っている企業、つまり大企業ということになります。
逆にエージェント側も、企業側が何百万も払ってでも紹介してくれ!と言われるような人材を集める必要があります。
そんなわけで、転職エージェントの元には優秀で高学歴、職歴も揃っているような人たちが集まってきます。
こうなると、障害者雇用も一般雇用の就職と変わらない競争の原理に晒されることになるのです。
障害者雇用希望でも、就職できない時代になる
法定雇用率というものをご存じでしょうか。
法定雇用率、「大幅」引き上げの実態~日本の「障害者雇用促進法」は厳しいのか?~|一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会 (jeap.or.jp)より引用
法定雇用率とは、従業員50名以上の企業は従業員の〇%以上障害者を雇ってくださいね、という決まりのことです。
2024年から、この法定雇用率が2.5%になりました。そして、2026年には2.7%になることが決定しています。
恐らく、2.7%の次は2.9%…みたいにもっと上がっていくでしょう。
これがどういうことかというと、一言で言えば障害者雇用は今が売り手市場なのです。
簡単な例を示すと、従業員100人の企業の場合、法定雇用率2.5%なら2.5人、四捨五入で3人障害者を雇う必要があります。
これが従業員10000人の企業の場合、2.5%で250人雇う必要があります。障害者雇用に関わった事がある方なら分かるかもしれませんが、障害者の方を250人雇うのはめちゃくちゃ大変です。
しかも、2024年には250人でよかったところを、2年後いきなり270人に増やさないといけないわけです。一般雇用でも20人増やすのは大変なのに、障害者社員となれば言わずもがなです。
法定雇用率の増加は国の決定事項なので、企業は従うしかありません。絶対に雇わなければいけないのです。
日本はいまお世辞にも景気が良いとは言えません。その場合、一般雇用の採用は人数を減らしたり、全く採用しない年もあるでしょう。
しかし、障害者雇用は景気がよかろうが悪かろうが、法定雇用率を満たしていない会社は必ず一定数雇わなければいけません。
そのため、一般雇用で大企業に入るよりは、障害者雇用の方が入りやすかったりします。今まではそうでした。
ですが最近はこの事が色んな所に知れ渡ってしまいました。転職エージェントだけでなく、就労移行支援も営利企業が参入し、大企業への就職実績をHPに載せたりしています。
こうした就職競争の激化に加え、障害者全体の母数の増加により、今までなら大企業に入れたような障害者の方でも、競争倍率が上がっていい会社に就職できなくなってきています。
図表1-1-2 障害者数の推移|平成30年版厚生労働白書-障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)より引用
2006年と比べて、障害者全体の数は1.4倍に増えています。当然日本人そのものの人口は1.4倍も増えていません。
大企業やホワイト企業と言われる会社のイスは限られているのに、障害者の数が1.4倍になったら…大企業はもちろん、障害者雇用で就職できない方が出てきてしまいます。
実際現場で見てきたのは、最低賃金相当の障害者雇用の枠と、ハイスペック用の障害者雇用の枠に二極化が進んできているという事です。
なんだか、一般雇用の就職と変わらない様相になってきたなあと言う気がします。
競争に負けない為に
最低賃金相当の仕事は主に重度の障害の方が多く、ハイスペック用の仕事は高学歴で職歴も長い社会人経験者の方が多いです。
それぞれのポジションにマッチングする方はいいですが、どちらの枠にもマッチングしない方は就職が決まらなかったり、希望条件と全然違う就職先しか決まらない、ということが起こります。
じゃあどうすればいいんだ?ってことですが、まずは自分が障害者雇用だとどれくらいの市場価値があるか知る所から始めるのが良いと思います。
市場価値なんていうと冷たく聞こえるかもしれませんが、障害者雇用もすっかり資本主義に染まってきています。
転職エージェントに登録すると、自分が年収いくらくらいの求人なら内定が取れそうか、教えてくれます。
登録するとエージェントがいくつか求人票を持ってきてくれるんですが、その年収のレンジが大体自分の市場価値です。
エージェントも商売なので、その求人に応募して内定が取れそうなところじゃないと持ってきません。
もちろん余裕で受かりそうなところからちょっと難しい企業まで、多少はバラツキをもたせたりはしますが、それでも絶対無理そうな年収レンジの求人は持ってきません。
自分の入りたい企業の求人をエージェントが持ってこない場合は、自分でHPを調べたりすれば自己応募も可能です。
ですが、自己応募も勝率が高いとは言えません。中にはエージェントからしか採用しない企業もあります。
他には、就労移行支援に通って、そこから応募する手もあります。今事業所に通所している方はこの方法がいいかもしれません。
事業所に通所していれば、ある程度体調も安定して就労に向けた訓練もされていると判定されるので、自己応募よりは受かりやすいと思います。
これが一番!と言う方法は人によって違うので断定はできませんが、大企業志望の方はエージェント経由の方がおすすめです。
他にも書きたい事はあるんですが、今日はこの辺にしておきます。ではまた。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
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