こんばんは。
司馬 理英子さんの『大人のADHD』という本を読み終わりました。
大人のADHD (講談社+α文庫) | 司馬理英子 | 医学・薬学 | Kindleストア | Amazon
2015年に出版された本なので、2022年現在とは多少異なる点がありますが、(治療薬にインチュニブがない等)
ADHDに関する説明・治療法・対策がわかりやすく・かつ簡潔・明瞭に書かれています。
ADHDの当事者が読むことを想定されているのか、文字のフォントが大きく、文章は短め&優しめ。
イラストも交えており、めちゃくちゃ読みやすいです。
この本最大の良い所はこの読みやすさにあると言っても過言ではないかもしれません。
ページ数も少ないので、2時間もあれば読み終わりました。
大人のADHDとは
この本では、実例を沢山交えて大人のADHDについて説明をしてくれています。
ADHDは病気ではなく、脳の機能障害なので、治ることはありません。
ADHDの人は不注意・多動・衝動性が高いという脳の作りをしていて、
前頭前野や腹側線条体という脳の部分に障害が見られると言われています。
ADHDの治療や対策というのは、目が悪くなった人が、メガネをかけて視力を矯正するイメージです。
以下に、この本で紹介されていたADHDの症状を挙げてみます。
★男性の場合:
『家を出る時間ギリギリに起きてしまう。急いでヒゲを剃り、会社から持ち帰った書類を慌ててカバンに入れる。携帯電話が見つからない。妻が朝食をすすめても、『なんで早く起こしてくれなかったんだ』と文句を言う(妻は何度も起こしている)』
・折り返しの電話を忘れる
・会議中にペンをいじる
・人の発現に割り込む
・借りたものを返さない
・早とちりが多い
・上司とけんかをして、突然仕事を辞める
・転職が多い
・電話料金などの支払いが遅れる
・スピード違反・駐車違反が多い
・他の人を急かす・せっかち
・誘惑に弱い
・浪費しがち
・ギャンブルにのめりこむ傾向
★女性の場合:
『朝が苦手。子供の弁当作り、朝食の準備で慌てる。子供を起こし、朝の支度をさせるが中々いう事を聞かない。『忘れ物ない?』などと声をかけ続ける。家族が出かけた後、ぐったりして疲れてしまい、ぼんやりテレビを見始める。』
・流しに食器が高く積まれたまま
・家事の段取りが出来ない
・家計簿が付けられない
・いざという時の備えが無い
・保険証や通帳などが見当たらない
・ジムに通うはずだったのに行けない
・あれこれ興味を持って手を出すが、続けられない
・ペン習字の教材も放置されている
・計画的でない
いかがでしょうか?
当てはまるものがある方も多いのではないでしょうか。
赤ラインマーカーは私も当てはまってるものです(笑)
周りにこんな事を言われていたらADHDかも?
院内研修~(大人のADHD)~ – あらたまこころのクリニック | 名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科 (mentalclinic.com)
社会人男性・女性それぞれADHDの人がよく言われるセリフも紹介されています。
当てはまるものが多すぎて読んでてしんどかったです…
★責任感がない・詰めが甘い・だらしない・根気が無い・そそっかしい・不注意なミスが多い・経費の精算を早くしてほしい・
アイディアはいいんだけど、段取りが下手・先の見通しが甘い、見通せない・時間管理が下手・期限が守れない、ギリギリになる
・報連相ができない・落ち着きがない・やるべきことをやり遂げられない・書類作成、入力が苦手・ノリはいいけど、きちんとできない
・長い書類を読むのが苦手・グズ・いい加減・調子がいい・食いつきはいいが続かない・やれば出来るのに惜しい
大体当てはまってますね。
まあ、分かってたけど改めて文字にして突き付けられると中々心に来るものがあります。
子供の頃や学生時代は助けてくれる親・先生・友人がいましたが、
社会人になるとそうした支援者がいなくなることで、自分のしたことの責任が自分に降りかかってくるようになります。
支援者なし・限られた時間で・正確な仕事・マルチタスクを求められるのはADHDの人にとっては地獄です。
場面別・ADHD症状対策
本の前半では、男女別・子供時代にADHDの人に見られる症状を多く紹介されています。
中盤では、場面ごとの対処法を10種類挙げてあります。
ざっくりまとめると
・時間管理が苦手→時間割を作って、アラームをかける
・せっかち・イライラしやすい→その場から離れる・深呼吸・音楽を聴くなど気を反らす
・大きな決断を急ぎやすい→メリット・デメリットを表に書いて比較する
・片付けが下手→物の収納場所を決める・名札を貼る・物の場所をリストにしておく
・いつも3日坊主→ゆるめの目標を設定・達成時にごほうびを用意してモチベーション維持
・仕事や家事に集中できない→集中力をそぐものは自分の周りから遠ざける
・遅れるつもりが無いのに遅刻してしまう→時間を逆算して行動・早めに目的地に着いておく
・先延ばし癖→面倒なこと程先にやる・やるべきことをリストアップ
・うっかりミスが多い→手帳・スマホなどのツールを使いこなす
・くよくよしやすい・悩むことが多い→ミスの原因を見つけて、繰り返さない工夫をする・きちんと謝罪する
以上です。具体的に対策が書いてあってとても参考になります。
本は全3章に分かれているんですが、第2章が具体的な対策、3章は心理・薬物療法について書かれています。
全部書いちゃうと本の丸パクリになってしまうので、今日はここまでにします。
文庫版だと600円位で買えますし、非常に読みやすいのでADHDの入門書としては間違いない一冊だと思います。
興味を持ってくださった方はぜひ読んでみてくださいね。
では今日はこの辺で。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
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