1.動けない日々の始まり
最初は「ちょっと疲れてるだけだろ」って思ってたんだよ。残業が続いてたし、気分が沈むのもまあ仕方ないかと。でもある朝、ベッドから起き上がろうとした瞬間に、体がまるで鉛みたいに重くて動かなかった。頭の中じゃ「会社行かなきゃ、支度しなきゃ」って命令出してんのに、体がまったく反応しない。手足に力が入らなくて、トイレに行くのすらやっと。朝ごはんを食べる余裕なんか当然なくて、歯も磨けない。スマホのアラームを止めるだけで精一杯だった。
それでも最初の数日は無理やり会社に行った。遅刻して、ボーッと座って、ほとんど仕事にならなかった。上司の言葉も耳に入らない。何か話されても、返事が遅れて「やる気あるのか?」って顔をされる。自分でも「あ、これ終わってんな」って感じた。結局、心療内科に行って診断書を出して、休職って形になったけど、そのときはまだ「少し休めば戻れる」って本気で思ってた。
2.職場リセット、残るのは空白だけ
でもさ、休んでる間に、LINEで流れてくる職場のやり取りを見るのがつらくなった。自分が抜けても、普通に回ってる現実。俺がいなくても全然困ってないんだってことに気づいて、情けなさと無力感が一気に押し寄せてきた。
復帰の話もあったけど、「また同じように働けるのか?」って考えたら胃が痛くなる。結果的に退職を選んだ。
辞めた瞬間はちょっと解放された気がしたんだよ。でも通帳見て現実に戻る。履歴書を開けばまた空白。前の仕事だって長続きしてなかったのに、ここでまたブランク。次の会社は面接で絶対突っ込まれるやつだ。
「なぜ辞めたんですか?」「体調を崩しまして……」なんて言ったら、面接官の目が一瞬曇るのが目に浮かぶ。正直、もうそれを想像するだけで怖くて応募すらできなくなった。
3.友達も家族も消えていく
休職してすぐの頃は、友達からLINEがちょこちょこ来てた。「大丈夫?」「また飲みに行こうよ」とか。でも返す気力がなくて既読スルー。既読つけるだけで疲れるんだよ。だんだんメッセージも減っていって、気づいたらゼロになった。こっちから送ろうと思っても、「こんな俺が何を送ればいい?」って考えすぎて手が止まる。
家族も最初は心配してくれた。けど数週間たつと態度が変わった。「もう十分休んだだろ」「働かないの?」ってトーンになってくる。親父なんか露骨に「怠けてるんじゃないか」って顔するし、母親も「将来どうするの?」って聞いてくる。答えられるわけない。こっちは答えを探してるのに。だんだん会話が減って、気まずい沈黙ばかりになる。
4.貯金が減る恐怖
通帳の残高を確認するのが怖くなった。でも確認しなきゃ現実から逃げてるみたいで、時々は見てしまう。見るたびに数字が減っていく。数万ずつ、確実に減っていく。
医者代、薬代、家賃、光熱費。生きてるだけでお金がかかる。無収入で減っていくだけの通帳を眺めるたびに、呼吸が浅くなる。
「あと何ヶ月で底をつくか」を頭の中で計算する日々。考えれば考えるほど胃が締めつけられる。夜も眠れなくなる。布団に潜って目を閉じても、数字が脳裏に浮かんで消えない。
ふと、「もう消えたほうが早いんじゃないか」と思ったことがある。でもその勇気も出ない。生きる気力はないのに、死ぬ勇気もない。宙ぶらりんなまま、ただ時間だけが過ぎていく。
5.誰もいない世界
SNSを開けば、元同僚が結婚しただの、昇進しただの、キラキラした投稿が並ぶ。眩しすぎて目を背ける。
いいねを押す気力もコメントする気力もない。見てるだけで、自分が世界から取り残されてるって突きつけられる。みんなが当たり前にできてることが、自分には全部欠けてる。
オフラインでも同じだ。友達はいなくなった。家族も心が通じない。孤独って言葉じゃ足りないくらい、世界から切り離された感覚。スマホが無音なのが当たり前になって、通知がゼロの日々が続く。
6.詰みってこういうことか
仕事を辞めた瞬間から、人生の時計が止まった感じがする。でも現実は止まらない。世の中は進んでいく。履歴書の空白は伸び続ける。
「ブランクがあると就職が難しい」なんて言葉を何度も聞いた。でも難しいどころじゃない。実際にはほぼ不可能に近いんだよ。応募しても一次面接で落とされる未来しか見えない。
働けない→ブランクができる→もっと働けなくなる。完全にループ。これが「詰む」ってやつなんだなって思った。笑えない。笑う余裕なんてない。
周りが当たり前に積み重ねてきたものが俺には何一つなくて、取り戻す方法も見つからない。このまま年だけ取って、気づいたら何も残ってない。怖いとか不安とかを通り越して、ただ「終わったな」って感覚だけが残ってる。

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