【うつ病併発×転職活動】「書類すら書けなくなった」

看護

──「働きたいのに、ペンを持つ手が止まった」


1.「診断が救いになると思ってた」

最初は「発達障害という診断を受けたら楽になる」と本気で思ってた。
ずっと理由がわからなかった自分の不器用さ、場の読めなさ、段取りの悪さ。
名前がつけば説明できる。
「自分のせいじゃない」って、そう思いたかった。

でも実際には、診断は終わりじゃなくてスタートだった。
「合理的配慮を求めろ」
「就労移行支援を使え」
「障害者雇用で応募しろ」

周囲からは簡単に言われた。
でも、それをやるのは自分だ。
職場でカミングアウトしても腫れ物扱い。
「配慮はするけど甘えないでね」と釘を刺される。
仕事を続けられずに辞めた。

そして、次に来たのは、眠れない夜。
泣きたくもないのに勝手に涙が出る朝。
医者からは「うつ病です」と言われた。
その瞬間、頭の中で「終わった」と声がした。


2.「就活しろ」の声が頭を殴る

それでも、社会は働けと言う。
ハローワークの相談員も、支援者も、家族も、友達も。
「少し休んだらまた探そう」
「障害者雇用もあるし」
「焦らなくていいよ」

優しい言葉。
でも中身は同じだ。
──「働けるようになれ」

求人サイトを開く。
「未経験OK」「ブランク可」
そう書いてあっても、現実は違う。
年齢制限は35歳まで。
経験者優遇。
30代後半の俺は、未経験では弾かれるし、経験者でも浅いから落とされる。

「書類選考落ちました」
何度も届くメール。
ゴミ箱に捨てた後も、心にこびりつく。
「お前は要らない」って。


3.「履歴書を書けない病気」になった

うつ病を抱えてから、書類が書けなくなった。
画面を開くと、志望動機欄が空白で自分を責める。
「何で書けないの?」
「生活のために働きたいです、じゃダメだろ」

頭が真っ白になる。
言葉が出ない。
マウスを握る手が汗でびっしょり。
パソコンを閉じてベッドに倒れこむ。

家族に「仕事探してる?」と聞かれて笑ってごまかす。
支援者に「求人、見ましたか?」と聞かれて頷くだけ。
何も進んでないのに。

書類が書けないって、怠けじゃないのか?
いや、うつ病の症状だって医者は言う。
でも、それを理解してくれる面接官なんかいない。
履歴書を送らなければ、受け皿すらない。
でも、送れない。


4.「面接に進めても、そこで終わる」

たまに奇跡みたいに面接まで進む。
その時は少し元気になる。
「チャンスだ」って自分に言い聞かせる。

でも、面接はもっと無理ゲーだ。
表情が固い。
声が小さい。
「前職を辞めた理由は?」
「メンタルが原因で…」

言った瞬間、空気が変わる。
「大丈夫なんですか?」
「当社は忙しいですけど…」
「フォロー体制はありますが、最低限自立していただかないと」

帰り道、落ちたってわかってる。
メンタルのことを隠しても、疲弊した顔は隠せない。
作り笑いが引きつる。
言葉が出なくなる。
「緊張してますね」
──もう無理だ。


5.「就労移行も限界がある」

「じゃあ就労移行支援を使いましょう」
何度も言われた。
仕方なく通った。

でも、周りは20代が多い。
「週5通所を目指しましょう!」
「就職活動プログラムやりましょう!」

30代後半、職歴ボロボロ、うつ病併発。
プログラムを受けながら「俺はもう戻れないな」と思う。
事業所スタッフも、表情には出さないけど分かってる。
「就労移行ゴール」だ。
就職先がないまま、工賃作業。
月に2万円。
生きられるわけがない。

「それでも社会と繋がれることが大事」
美しい言葉だ。
でも家賃も払えない。
飯も食えない。
家族も支えきれない。
死ぬしかないじゃん。


6.終わりに:「努力不足って言ってくれたほうがマシだった」

「書けない」「行けない」「話せない」
全部、努力不足ですか?

そうだって言われたほうがマシだった。
「じゃあ頑張ります」で済むから。

でも現実は違った。
「頑張っても書けない病気」
「頑張っても動けない病気」
「働きたいのに働けない病気」

社会はそれを優しく包んだりはしない。
「雇わない」という形で排除する。
「受給要件を満たさない」という形で福祉を絞る。
「自立支援」という名目で自己責任を押しつける。

俺は今もパソコンの前にいる。
履歴書は白紙だ。
動けない。
飯も食えない。
今日も生活保護申請を迷って終わった。
明日もきっと書けない。

──働きたいのに。
──もう働けない。
──もう、生きてるのが面倒だ。

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