
「なんとなく、モヤモヤする」あなたへ
こんにちは。
今日は、働く障害のある当事者のみなさんに向けて、「配慮」と「甘やかし」の違いについて、ちょっと踏み込んだ話をしていきます。
「上司がなんでもやってくれるけど、自分が頼りにされてない気がする」 「配慮されてるはずなのに、職場に居場所がない」 「周囲に気をつかわせてるのが、つらい」
そんな“モヤモヤ”を感じたことがある人、多いのではないでしょうか?
「ありがたいけど、ちょっと違和感がある」「自分のせいで周囲に迷惑をかけている気がする」――この感覚、実は“甘やかし”と“配慮”がごちゃ混ぜになっているときに起こりがちなんです。
今回は、当事者の立場から、自分らしく働くために必要な「本当の配慮」について、いっしょに考えていきましょう。
「配慮って、なんのためにあるの?」を再確認しよう
合理的配慮(ごうりてきはいりょ)――よく聞く言葉ですが、その目的って、なんでしょう?
それは、「障害があるからできないことを、できるようにするため」の工夫や支援です。
たとえば、
- 聴覚障害のある方に文字による指示を伝える
- 精神障害のある方に静かな席を用意する
- 発達障害のある方にマニュアル化された手順を提供する
こういった工夫は、「働けない理由」を解消し、「活躍できる条件」を整えるためのもの。
つまり、“対等に働くための土台づくり”なんですね。
でもここで大切なのが、「できないこと」にずっと注目しすぎて、「できること」「得意なこと」が置いてきぼりになっていないか、ということなんです。
「助けてもらいすぎてるかも…」と思ったら
職場でやさしくしてもらうのはありがたいこと。でも、気がつくと、こんなふうに感じることはありませんか?
- 「大丈夫?」って毎回聞かれるのがしんどい
- 本当はできる仕事も、最初から任されない
- 失敗しても注意されないかわりに、仕事が減らされた
こうなると、自分の力を試す場がどんどん少なくなっていきます。
つまり、「守られてるけど、育ってない」状態。
これは一見すると“配慮”に見えるけど、実は「甘やかし」の側面があるかもしれません。
ここで大事なのは、「私はもっとできることがある」と思えるかどうか。そして、それを職場と対話できるかどうか、です。
「任せてもらえる」って、実はすごくうれしいこと
私たち当事者にとって、仕事を任せてもらえるというのは、とても大きな信頼の証です。
納期のある仕事をまかされたり、新しい業務にチャレンジしたりすると、緊張もしますが、同時に「自分も一人の社会人として、必要とされてる」と実感できますよね。
逆に、いつまでも簡単な業務しかできない、という状態が続くと、こんな気持ちが湧いてきませんか?
- 自分は“いるだけ”の存在になってしまったんじゃないか
- この職場で成長できる未来が見えない
- いくら働いても、誰からも評価されない
つまり、「働いているのに、満たされない」状態です。
だからこそ、「責任を持たせてもらう」ことこそが、最大の配慮であることもあるんです。
甘やかし=期待されていないサインかも
意外と知られていませんが、「甘やかす」ことの裏には、“その人にはできないだろう”という前提があります。
「難しいことは任せないでおこう」 「失敗されたら困るから、最初からやらせないようにしよう」
これって、実は“期待されてない”ということなんですよね。
障害があることと、「できない」と決めつけられることは、まったく違います。
あなたの個性や強みは、他の人にはない価値です。それを「使われないまま終わる」のは、もったいない。
だからこそ、「もっとこういう仕事をやってみたい」「ここはサポートがあればできそう」と、自分の声を発していくことが大切なんです。
「ちゃんと伝える」ことが、職場を変える第一歩
たとえば、「仕事が多すぎて体調が悪化しそう」「人間関係のストレスで集中できない」――こういうとき、あなたはどうしていますか?
黙って耐える? それとも、辞める?
もちろん、我慢の限界がきたときに退職を選ぶのは悪いことではありません。でも、本当に望む働き方を実現したいなら、「自分の言葉で伝える」ことは避けて通れません。
職場の人たちが“甘やかしてしまう”背景には、「何ができて、何ができないのか」が見えていない、という理由があります。
あなたが「こういう配慮があれば、この仕事ができる」と具体的に伝えられるようになると、周囲の見方も変わります。
それは、対等な関係を築くための大切な一歩です。
本当の配慮とは
ここで、あらためて「配慮」と「甘やかし」の違いを整理してみましょう。
区分 | 甘やかし | 配慮 |
---|---|---|
前提 | できないと思われている | できるようになることを信じられている |
対応 | 仕事を任せない・避けさせる | 必要なサポートをしながら任せる |
成果 | 成長が止まる | 経験と実績が積みあがる |
信頼感 | 上辺だけの優しさ | 未来を信じる関わり |
あなたが感じている「これは甘やかしでは?」という違和感。それは、自分の力を信じてほしいという願いの表れかもしれません。
逆に、「これは配慮だな」と思えるときは、自分の中に「この職場で頑張ってみたい」という気持ちがあるはず。
「自分をあきらめない」選択を
障害者雇用の現場では、「やさしさ」の名のもとに、自分の力を発揮できない人がたくさんいます。
でも、私たち当事者には、「自分の働き方を選ぶ力」があります。
もちろん、無理は禁物です。体調や心の状態を大切にすることは、何より優先されるべきです。
でもそのうえで、「私はこう働きたい」「私はこういう力がある」と、前を向いて伝えていくこと。
それこそが、“配慮される側”から“職場を変える当事者”への第一歩です。
あなたには、自分の人生を選ぶ力があります。甘やかしに甘んじるのではなく、配慮を味方にして、自分らしく働いていきましょう。
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