
1. 「ママなのに」と言われる視線
保育園の送り迎え。
他のお母さんたちが世間話をしている横で、私は立ち尽くす。
うまく会話に入れない。
タイミングを外す。
言葉を選べない。
変な空気を作ってしまう。
子どもが泣く。
怒鳴りたくないのにイライラが抑えられない。
待ってあげたいのに、こっちがパニックを起こす。
「お母さんなのに落ち着いてあげられないんですか」
保育士さんの目がそう言っている。
「母親失格ですか」
自分で自分に問いかける。
いや、わかってる。
失格だろうなって。
2. 仕事が続かない、でも稼がなきゃ
障害者雇用で事務に就いたけど、電話応対でパニック。
同僚との連携もうまく取れない。
「配慮します」と言っても
「それくらいやって当たり前でしょ」と空気で責められる。
ミスを連発。
周りに相談できず、1人で抱えて爆発する。
結局は契約更新されず終了。
でも、子どもを育てなきゃいけない。
保育料、家賃、光熱費、食費。
日用品だってすぐに切れる。
シングルマザーで、貯金はない。
だから非正規でも何でも飛びつく。
でも長くはもたない。
履歴書が汚れていく。
「何度転職すれば終わるんだろう」
自分でもわからない。
3. 子どものために「普通」を演じる
「障害があるなんて知られたらどう思われるだろう」
だから学校の面談では必死に普通の母親を演じる。
でも、先生の前で言葉が詰まる。
「要点をまとめて話してください」
頭が真っ白になって余計にパニック。
家に帰って自己嫌悪。
「ママ、大丈夫?」
子どもが心配そうに覗き込む顔が痛い。
大丈夫じゃない。
でも言えない。
「ママは大丈夫だよ」って嘘をつく。
本当は泣きたくて仕方ないのに。
4. 支援も限界がある
役所に相談に行く。
「障害者枠の求人ならあります」
「母子家庭の補助もあります」
「就労移行を検討しては」
どれもわかってる。
でも現実的じゃない。
子どものお迎え時間に間に合わない。
通院もあって休みがちになる。
支援機関も「難しいですね」と言って終わる。
そもそも「通えること前提」の制度ばかり。
「母親やめて障害者だけになれって?」
子どものために働くのに、子どもがいるせいで利用できない制度。
笑っちゃうくらい矛盾してる。
5. 誰にも甘えられない夜
「実家は頼れないんですか?」
相談すると必ず聞かれる。
頼れたらとっくに頼ってる。
「親からもあんたは変わってるって言われた」
「子どもを巻き込むな」
電話も出てくれない。
友達?
そんな余裕はもうない。
みんな家族がいる。
キャリアがある。
休日に遊ぶ金も、心の余裕もない私とは話が合わない。
SNSを開くと、同じ年頃のママたちが
「マイホーム」「家族旅行」
目に刺さる。
画面を閉じて泣く。
6. 「ママなのに弱音を吐くな」
寝かしつけた後の真っ暗な部屋。
静寂が怖い。
今日も怒鳴った。
ごめん。
でも余裕なんかない。
この先も不安しかない。
お金が足りない。
仕事が続かない。
「ママなのに頑張れない」
「ママなのに泣いてる」
「ママなのに子どもを幸せにできない」
その「なのに」が私を殺す。
もう働きたくない。
でも働かないと生きられない。
子どもを守れない。
7. それでも朝が来る
明日も仕事を探す。
応募する。
落ちる。
決まっても続かないかもしれない。
でも辞められない。
子どもがいるから。
ただそれだけで踏ん張るしかない。
泣く暇があったら寝たい。
寝る暇があったら稼ぎたい。
でも体も心も悲鳴を上げてる。
「この子にだけは同じ思いをさせたくない」
そう思うけど
どうしたらいいかわからない。
本当にわからないんだ。
これが「発達障害のシングルマザー」の現実だ。
子どもを守りたいのに、
子どもに一番迷惑をかける自分がいる。
どこにも逃げ場なんてない。
でも、母親だから逃げられない。
この地獄を背負って笑うしかないんだ。

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