ASDとして働く。それでも社会を渡り歩くためのサバイバルノート

看護

1. 生きづらさはお前のせいじゃない

まずこれだけは言っとく。
お前が社会でやたら疲れるのは、お前の努力不足とか怠けとかじゃない。脳の設定がそういうふうになってるだけ。
ASDってのは、情報処理の仕方が違う。ルールやパターンに強い代わりに、曖昧さや予定変更、感情のニュアンス読み取りには弱い。これが社会と噛み合わない場面が多すぎるんだ。


2. ASDの脳で社会に出るってどういうことか

ASDの脳って、Excelみたいなもんだ。枠組みが決まってればすごく正確に動くけど、いきなり変なデータぶっ込まれたらエラーになる。
職場は、その「変なデータ」の塊みたいな場所だ。予定外の依頼、曖昧な指示、複数タスクの同時進行。全部脳の処理能力を食い潰す。
だから、社会に出た瞬間から常に負荷がかかってる状態でスタートしてるってわけ。


3. 「普通にやってるつもり」が通じない瞬間

ASDあるあるで一番キツいのは、本人はマニュアル通りやってるつもりでも、周囲から「融通がきかない」とか「空気読めない」って言われるやつだ。
たとえば会議の議事録。発言を全部正確に書き起こしたら「細かすぎる、要点だけでいい」って怒られる。でも要点だけにしたら「重要なところ抜けてる」ってまた怒られる。じゃあどうすりゃいいんだ、って話。


4. 職場で起きやすいつまずきパターン

  • タスクの優先順位を変えられない
     急ぎの依頼が来ても、今やってる作業を途中で切り替えられない。結果、相手を待たせる。
  • 曖昧な指示に振り回される
     「適当に」「いい感じに」「臨機応変に」…この呪いの言葉群に弱い。結局やり直しになる。
  • 会話の“裏”が読めない
     「大丈夫そう?」と聞かれて、事実だけ答えたら「やる気ないの?」と受け取られる。
  • 予定外の変更でパニック
     午前中に終わらせる予定だった作業が、別の緊急案件で吹き飛ぶと脳内のスケジュール表が崩壊する。

5. 実際にやらかしたミスの経緯

ある日、経理部で請求書処理をしてたときの話だ。
午前中は3件の処理を終わらせる予定。優先順位は頭にガッチリ固定。
そこに上司がやってきて「これ、先にやっといて」と別の請求書を渡す。
俺は頭の中で「予定→崩壊」。でも口では「はい」と言って席に戻る。
問題はここからだ。新しい請求書を処理してる間に、元の3件の存在を完全に忘れる。午後になって相手先から「まだですか?」と電話。上司にバレて「なんでやらなかった?」と詰められる。
俺としては“やらなかった”じゃなくて、“やれなかった”なんだが、そこは説明しても伝わらない。


6. コミュニケーションの壁を低くする方法

裏を読むのが苦手なら、無理に読むな。代わりに、確認の習慣を身につける。
「つまりこういう意味ですか?」と聞き返す。相手はちょっと面倒そうな顔をするかもしれないが、後でやり直しになるよりマシだ。
あと、「期限はいつですか?」を必ずセットで聞く。これで優先順位の判断材料が手に入る。


7. ルールと曖昧さの狭間で消耗しないコツ

職場って、明文化されてないルールが多い。「昼休みは全員で一緒に行く」とか、「お菓子を配られたら必ず食べる」とか。
こういうローカルルールに全部合わせてたら、脳の容量がすぐパンパンになる。
割り切って、守るルールと流すルールを決めておけ。「そこまで重要じゃないやつ」は、あえて優先度を下げる勇気も必要だ。


8. 感覚過敏・こだわりとの付き合い方

蛍光灯のチカチカ、キーボード音、匂い…こういう刺激で集中が吹き飛ぶのはASDあるある。
俺は耳栓とノイズキャンセリングイヤホンを常備してる。
こだわりについては、全部押し通そうとすると衝突が増える。自分がどうしても譲れない部分(例えば「書類は左上ホチキス固定」)だけ死守し、それ以外は「まあいいか」で流す。


9. 配慮を引き出す“伝え方”

「発達障害だから配慮してくれ」じゃなく、「こういう環境だとミスが減ります」と具体的に伝える。
例えば「口頭指示だけだと漏れるので、メールでも送ってほしい」とか、「作業の優先順位を紙に書いてもらえると助かる」とか。
相手がやりやすい形で頼むのがコツだ。


10. 失敗しても壊れないための生活リズム

職場で全力を出すと、帰宅後は何もできなくなる。
だから仕事外の時間は「脳を回復させる時間」と割り切る。趣味でも休養でもいい。
睡眠削ってまで対策しようとすると、翌日の処理能力がガタ落ちするから注意。


11. 向いてる仕事・向かない仕事

ASDは構造化された仕事に強い。データ入力、品質管理、マニュアルに沿った作業などは相性がいい。
逆に、臨機応変な対応を要求される接客や営業は地雷になりやすい。
ただ、部署や上司のスタイルでも相性は変わるから、「この職種ならOK」って単純には決められない。


12. 逃げ場の作り方

職場以外に安心できる場所を作っておく。オンラインの当事者コミュニティでもいいし、週末だけ行くカフェでもいい。
「全部職場でうまくやらなきゃ」って思うと詰む。逃げ場があると、気持ちに余裕ができる。


13. 最後に

ASDで働くってのは、常に“社会という別OS”で動いてるようなもんだ。
そりゃ不具合も出る。でも、エラーを減らす方法は確実にある。
自分の設定を知って、環境に合わせて小さくカスタマイズしていく。それがサバイバルの基本だ。

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