
1.ToDoリストは“墓標”である
朝、出勤してパソコンを開く。
まずやるべきは、今日のタスクの確認──のはずが、
その瞬間、頭の中でサイレンが鳴る。
「そういえば、金曜までの資料まだだった」
「いや、その前に昨日の返信忘れてる」
「てか今週の予定そもそも整理してない」
「あと、あの会議、何時からだっけ……?」
頭の中が、もうカオス。朝から渋滞。事故多発。信号機、全点滅。
ToDoリストを開くも、そこに並んでいるのは過去に“放置”されたタスクの墓標たち。
「あとでやる」「時間あるときに」「一瞬で終わるはず」──そんなメモが日付を越えて風化している。
まるで“未来の自分に丸投げされた借金帳簿”。誰だよこれ書いたの。俺だよ。
2.「今、何をやってたんだっけ?」
とりあえずメールの返信から手をつけよう──と思ったのに、
通知のアイコンがピコッと光った瞬間、別のチャットを開いてしまう。
そのチャットに「確認お願いします」と書かれていたので資料を探し、
資料のファイル名を開いて読み込もうとしたら、途中で「資料B」の存在を思い出す。
「資料B」のフォルダを探してるうちに、ついでに「資料A」の古いバージョンが目に入り……。
──気づいたら30分経過。
ふと我に返る。「えっと、俺、何しようとしてたんだっけ?」
ADHD脳はマルチタスクに強いんじゃない。ただ1つのことに集中できないだけだ。
3.「やった気になって、やってない」が日常
脳内で完璧に段取りしたタスクほど、なぜか着手していない。
「会議の準備、だいたい頭の中にあるからOK」
→いざ当日、「あれ、資料どこに保存したっけ?」
「メールの返信、あとでまとめて書こう」
→“あとで”は、基本的に永遠に来ない。
「タスク管理アプリを入れよう!」
→アプリを3つ試して飽きて終わる。
「できる人の真似」をすればうまくいくと思っていた。
でも、“できる人”は、そもそも忘れない。手が止まらない。混乱しない。
こっちは混乱しない方法を毎回探して、それに混乱してるんだ。
4.タスクが“見えてるのに進まない”という地獄
いちばんしんどいのは、やるべきことが分かってるのに、身体が動かないとき。
締切が近づいている。
頭では「早くやらなきゃ」と警告が鳴っている。
だけど、画面の前でマウスを握ったまま、5分、10分、15分……
タスクのファイルを開くことさえ億劫になって、
やがて「とりあえず机を片付けよう」と掃除を始めたりして。
いや、それ昨日もやったやつじゃん。
本当に必要なのは“時間管理”じゃなくて、“集中するまでの起動スイッチ”なのに、
誰も教えてくれない。そもそも存在するのかも怪しい。
5.毎日が“締切前日”
タスクを先延ばしにした分、最後は猛スピードで巻き返す。
“ギリギリになれば集中できる”という、謎のスキルが発動する。
でもこれは“集中”じゃない。焦りによるパニック加速だ。
トイレにも行かず、息を止めるように手を動かし、なんとか提出に間に合わせる。
そして提出後にグッタリ倒れる。まるで短距離走を毎日繰り返しているようなもの。
上司には「ちゃんと間に合ってるから大丈夫だね」と言われるけど、
こっちは毎回、寿命を数日削ってるんですよ。
まとめ:効率化できない脳と、効率化を求める社会
タスク管理の本や、時間術のYouTubeを何本見ても、
“集中できない脳”にフィットする方法はなかなか見つからない。
「ポモドーロ・テクニック」?
「2分ルール」?
「朝活」?
ありがとう。でも、朝起きた時点でもう疲れてます。
“努力不足”と片づけられたら、それまでだけど、
努力してるんですよ、こっちは。誰にも気づかれないだけで、ものすごく。
「今何をすればいいか分かってる」
それだけで評価される世界があるなら、ぜひ転職したい。

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