『発達障害に気づかない大人たち<職場編>』を読んで

看護

こんにちは。

1/7にブログ書いたっきりで更新できず、すいませんでした(最近毎回これ書いてる気がする)

左耳が聞こえなくなってからというもの、難聴と関係があるか分かりませんが、体調不良の日々が続いています。

不定愁訴といって、何か分からないけど調子が悪い、という症状(具体的には頻発する頭痛・吐き気・やる気が出ない等)。

何とか生きてはいるんですが、100%本調子の時と比べると50~70%程度の出力です(当社比)

今日は調子がいいので、読んだ本の感想を載せていきます。

発達障害に気づかない大人たちの続編

発達障害に気づかない大人たち (祥伝社新書 190) | 星野仁彦 |本 | 通販 | Amazon

今回読んだのは精神科医の星野仁彦先生が書かれた、『発達障害に気づかない大人たち』というシリーズの2作目になります。

<職場編>とあるように、社会人として働く発達障害当事者向けの本です。

主な内容は

・発達障害とは何か

・発達障害者が仕事を上手くこなすには

・職場で発達障害を活かすには

・他人とは違うからこそできること

・発達障害の診断と治療法

・うつ病・依存症と発達障害

の6章構成になってます。

読み終えた感想としては、半分~7割くらい前作の『発達障害に気づかない大人たち』と内容が重複してます。

あれ?この内容読んだよな…っていう部分が多かったですね。

かなり具体的に発達障害者向けの生活・仕事用の対策を書いてくださっているのですが、

正直これらの対策が実行出来たら苦労しないよな…というものが多いです(笑)

個人的には4章の『他人と違うからこそできること』が一番タメになりました。

発達障害に向く仕事、向かない仕事というサブタイトルが付いており、発達障害者の格差について触れています。

発達障害者には高度な知識や才能を活かして社会で活躍する人がいる一方、若年無業者(ニート)になってしまう人も多いのです。

2010年7月の厚労省の調査によると、日本にいるひきこもりの数は70万人。

原因の1位が『病気』『職場になじめなかった』の2つが同率で23.7%とトップに。

次が『就職活動がうまくいかなかった』、3位が『人間関係がうまくいかなかった』、4位が『小中高時代の不登校』と続いています。

大人の発達障害者は社会への適応レベル・職業・年収が様々で、格差が大きいのです。

この本ではその格差はどこに原因があるのか?という疑問に切り込んでいます。

発達障害の人はなぜニートや引きこもりになりやすいのか

星野先生によると、発達障害や引きこもりの人がニートや引きこもりになりやすい理由は、

本人が抱えている発達障害の程度や合併症の有無にもよりますが、決定的なのは本人と家族が

①発達障害に気づき、受け入れているかどうか

②最低限の社会性を身に付けているかどうか

③自分の特性を活かせる適職に付いているかどうか

④家族や周囲の理解と支えがあるかどうか

とのことです。

当事者の1人としてはどれも納得できますね。

社会で働く上でこれらの要素は非常に大切なものです。

これらの要素が欠けていると、次のような問題を抱えた大人になりやすいと書かれています。

①失敗・挫折体験が多く、他社からの評価が低い。結果、自己肯定感が低くなりやすい

②社会性・対人スキルが未熟なため、多人数で構成される組織の中で複雑な人間関係、上下関係に細かい気配り・適切な対処ができない

③睡眠・食事・ライフスタイルが乱れていることが多く、職場や学校に通うための規則正しい生活を維持できない

④長期間の人生目標や職業選択に関して自己同一性を持って考え、それに向かって長期間勤勉に努力することが不得手である

⑤学習障害・認知障害がある場合は、国語・数学・英語などの基礎的能力を必要とする職業に就いても中々うまく仕事ができない

⑥感情・情動のセルフコントロールが未熟なため、些細な事で気分が不安定になり、落ち込んだり不機嫌になったりするイライラして暴力をふるう

⑦衝動性や欲望のコントロールが難しく、ゲーム・ネット・アルコール・薬物などの依存症や嗜癖行動に陥りやすい。

星野先生はこれらの問題を抱えているニート・引きこもりの人は社会適応が難しく、就職活動が上手く行かなかったり、

たとえ職を得たとしても働き続けるのが難しくなるのは容易に想像できるとのこと。

ニートや引きこもりは単なる怠け者ではなく、実際はこうした問題を複数抱えているがゆえに働きたくても働けないという現実があると

語られているのです。

学力より、社会性の方が大切

上記の話に続いて、大人の発達障害者が社会に出て、生活・仕事をしていく上では学力より社会性の方が大切であると書かれています。

いくら知識や才能があっても、最低限の社会性がなければ、1人で社会生活を送っていくのは難しいからです。

発達障害の子供が社会性を身に付けるためにおすすめな方法として書かれているのは『部活』『アルバイト』とのこと。

科学部・生物部・パソコン部では社会性は身に付かないので野球やサッカーなどのチームプレーの運動部がベストと書かれていますが、

その辺りはどうしても向き不向きがあると思いました。

私も小中と5年程サッカーをやってましたが、下手くそだったのでチームメイト・コーチからボロクソに言われていました(笑)

それでもサッカー未経験者よりは上手くなったのと、集団生活の基礎みたいなものはそこから学びましたね。

他には発達障害者は自己管理が苦手なため、自己管理が出来るようになるまでは1人暮らしは避けること、

社会に適応できていない大人の発達障害者は例外なく自分の特性を活かした適職に就いていないこと等を挙げられています。

特性を活かした適職に就けないと挫折する、というのはめちゃくちゃ共感しました。

得意な部分を活かせることはもちろん大事ですが、致命的に苦手な能力を要求される仕事に就くのは止めた方がいいと思います。

これは実体験ゆえに思うところです。いくら好きな職業でも、苦手な能力を使う仕事だと詰む確率が高くなってしまいます。

同じ職業でも苦手な能力を使わない業務にするか、そもそも職業選択から見直した方がいいかもしれません。

結構長くなったのでこの辺で終わりにしておきます。

星野仁彦先生の発達障害関連の著書は、特にADHDに関する情報が詳しく書かれてるのでADHD当事者の方にはおすすめです。

それでは。

ここまで読んで下さりありがとうございました。

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