【擬態】ADHDの人生サバイバル術

看護

こんにちは。

今日は私がこれまで何とかやってこれた(これてないかも)、生きる上でのサバイバル術をお話します。

人生サバイバル術【擬態(ぎたい)】

私が30年弱生きてきて獲得した人生サバイバル術、それは擬態(ぎたい)です。

擬態とは、他の物に様子を似せること。狭義では、動物が他の動物や周囲の物に似た色・形などをもつこと。を指します。

どういうことかというと、早い話が「ふつうの人っぽく振る舞うこと」です。

私が発達障害だと診断されたのは30歳前後ですが、子供の頃から自分はヘンなやつ・変わり者だという自覚はありました。

人と違うところがある・個性的・変なヤツということ自体は、悪いことではないと思っています。

歴史上の偉人や大きなことを成し遂げるような人は大体変わり者ですし、人と同じことだけやっていても新しい発見は生まれません

しかし、いつも行動・言動・見た目が変なままだとグループ・学校・会社といった集団のなかで生きていくのは難しいです。

制服のある学校に私服で行ったら、即生徒指導室行きです。就職面接で真っ赤なスーツを着ていったらどの会社も100%採用してくれません

車がビュンビュン走ってる道路の真ん中を歩いたり、自転車で高速道路に乗るのももちろんアウト。

なぜこれらの行動がダメかというと、社会には常識があって、社会のルール通りに振る舞うことが求められているからです。

さすがに皆さんの中にこれらの行動を取る人はいないと思います。

しかし、人とのコミュニケーションとなると、発達障害の人は空気を読めない行動を取ってしまいがちです。

人と話している時に話し手の方を見ないでうわの空相手の話を途中でさえぎり自分だけずっとしゃべりっぱなし言わなくてもいい余計なことを言って相手を怒らせてしまう

こういうことをやってしまうのです。

こういうコミュニケーションの仕方を続けるとどうなるかというと、めちゃくちゃ嫌われます。最悪いじめられたり、仲間外れにされるでしょう。

ですから、自分ではおかしくないと思っていても、周りから見ておかしい人だと思われる行動・言動は改める必要があります。

ここで擬態の話に戻ります。つまり、社会で気持ちよく生きていくために、擬態することを覚えましょうということを言いたいのです。

「いやいや、自分は人に何と思われようと自分の生き方をつらぬくぜ!」という方は、そのままのオンリーワンスタイルでいいと思います。

「ふつうの人」に擬態するやり方

いわゆる「ふつうの人(発達障害じゃない人)」は、擬態するのがとても上手です。すぐに周りの仕草・表情・話し方などを見て真似することができます。

我々発達障害の民は、「空気を読む」ということが苦手な人が多いです。

空気を読む、を辞書でググると、その場の雰囲気を察すること、暗黙のうちに要求されていることを把握して履行すること、などを意味する表現。とあります。

私もそうなのですが、まず「雰囲気を察する」「暗黙のうちに要求されていることを把握する」ってなんだよ!?って思います。

表現が抽象的すぎてわかりづらいし、具体的に何をしたらいいか全然書いてねーじゃん。と思うのです。

せめて「コミュニケーションを取っている相手の言動・仕草・表情を観察し、相手が次にどんなことを話すか予測した上で適切な返答・表情をしなさい」とか書いてくれないと分かりません。

暗黙のうちに要求されていることなんて分かりますか?超能力者じゃないと分からないでしょう。でも「ふつうの人たち」はこれが自然と理解できるようです。

近所の友達から率直に「あなたの家の砂糖を50g分けてください」と言われたら分かりますが、「いやぁ、うちの砂糖切れちゃってさぁ~困ったなぁ」と言われても「そうですか、大変ですね」としか思いません

でも恐らく、この会話の正解は「それは大変だね。うち砂糖いっぱいあるから分けてあげるよ。どのくらい要るか分かんないから取りに来てくれる?」というような内容のはずです。

私はこれが自然に理解できませんが、「今までの経験とこの言い方からして、恐らくこの人は砂糖がほしくて、俺に砂糖をあげるよと言って欲しいんだろうな」ということがわかるようになりました。

この「相手の状況・言動・声色・表情・今までの経験から相手が何を言いたいか予測して最適(に近い)答えを返す能力」「擬態」と勝手に呼んでいます

擬態のやり方は1日2日で身につけられるようなものではなく日々観察と予想をしながら覚えていくしかありません。

もしあなたに「ふつうの人(発達障害じゃない人)」の友達や家族、知人がいたら、その人の振る舞いを観察・真似してみるといいと思います。

そのうち、擬態能力が身に付いてくると、「全然面白くないけど、この人との関係性を維持するためには今笑っておいた方がいいんだろうな」と予想して瞬時に笑顔で返す、みたいなことができるようになります。

これが良いことなのか悪いことなのかは正直わかりませんが、会社や学校といった組織・集団の中である程度快適に過ごすためには身につける必要がある技術かなーと思います。

たとえば、転職の面接で面接官に「あなたはなぜ前の会社を退職されたのですか?」と聞かれたとしましょう。

本当は前の会社の人間関係が最悪で退職したとして、「あの会社は人間関係が悪く、意地悪な上司と同僚しかいませんでした」と言ったら面接官はどう思うでしょうか?

おそらく面接官は「この人は前の会社の人の悪口を言う人だから、きっとうちの会社に来ても同僚や上司の不満を言って辞めるにちがいない」と思うでしょう。

ですから、そこまで予想した上で、「やりたいことがあって、スキルアップの為に退職して御社を志望しました」と前向きな理由に置き換える必要が出てくるのです。

本当は全然スキルアップややりたいことがあるわけでは無く、給料と福利厚生がいいから応募したとしても、正直にそのことを言ってはいけません

「こいつは会社にぶらさがる気満々じゃないか。とんでもない奴だ」と思われて落とされます。

擬態を覚えるためには、まず「自分が言いたいこと・やりたいこと・感じたこと」と、「相手や周りが求めていること」を分けて考える必要があります。

街中で人とぶつかった時に、「なにぶつかってんだテメェ」と言って殴りかかったら、即逮捕されて留置場行きです。

多少イラっとしても、「今のはこっちがボーっとしてたからかもしれない」「向こうからぶつかってきたとしたらヤバいやつだから、すぐ離れよう」と思って無言でさっと離れる、もしくは一言「すいません」と謝る。

感情的には不満かもしれませんが、いちゃもんを付けてもお金がもらえるわけじゃないし、時間と労力の無駄なのでさっさと忘れて歩き始めるのがいいでしょう。

今はネットが発達していますから、わからない事があればインターネットで調べればほとんどの対応について「一般的な正解」が出てきます

まず知識として頭に「一般的な振る舞い」をインプットする。次に実践で試してみる。その結果、相手の反応を見て自分の中で振り返りをする。この繰り返しです。

私もいまだに「空気が読めない」と言われることが多いですが、昔よりだいぶマシになりました。

大人になってから友達もできたし、結婚、転職、様々な契約も大きな問題を起こすことなく済ませることが出来ました。擬態は訓練次第で何歳からでも習得できるはずです。

なんか人生上手くいかないなぁーという人は、擬態の練習をやってみてもいいかもしれません。

何事もまずチャレンジしてみましょう。それでは。

ここまで読んで下さりありがとうございました。

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