
1. 「前の場所は無理だった」
前に通ってた就労移行支援は、
正直きつかった。
「就職を目指す」っていう目標がハッキリしてて、
履歴書も面接練習も
「就活、就活」って空気。
俺も最初はやる気あったけど、
面接で落ち続けて、
グループワークで浮いて、
何も言えなくなった。
「自分のせい」なのは分かってる。
でも無理だった。
それで通えなくなって、
親にも「次はどうするの」って責められて、
また探した。
2. 「新しいところは優しかった、最初は」
新しく見学に行った事業所は
雰囲気が柔らかかった。
「前の事業所でしんどかったなら、ゆっくりやりましょう」
「ここはあなたのペースを大事にします」
そう言われて、
「ここなら大丈夫かも」って思った。
安心したかったんだと思う。
もう親の前で「無理です」って泣きたくなかったし。
3. 「でも結局は“就職”がゴールだった」
しばらくは本当にゆっくりだった。
雑談中心のグループワーク。
「自分の得意不得意を知ろう」
「生活リズムを整えよう」
そういうテーマで。
でも数カ月経つと
「そろそろ就活も意識しよう」
「履歴書を書いてみよう」
「求人票を見てみよう」
結局はそこに行き着く。
俺も「はい」って言った。
拒否したら「なんで来てるの」って空気になるのが分かってたから。
親だって「就職のためでしょ」って言うだろうし。
4. 「“できない”って言えない」
面談で
「どんな仕事がしたい?」
「応募する企業はどこにする?」
「面接の予定はどうする?」
そう聞かれるたびに、
喉が詰まる。
本当は
「もう怖いです」
「面接無理です」
「落ちるのが嫌です」
「働ける気がしません」
って言いたい。
でもそんなこと言ったら
「じゃあ、どうしたいの?」って返されるのが分かってる。
“できない”って言ったら、
そこで止まるのが怖い。
5. 「支援先が変わっても、自分は変わらない」
新しい支援員も親切だ。
「無理しなくていい」
「あなたのペースで」
言葉は優しい。
でも優しさの奥にあるのは、
「でも最終的には働こうね」
「変わっていこうね」
っていうメッセージ。
支援先が変わっても、
そこは同じだった。
支援員が悪いわけじゃない。
俺が悪いわけでもないのかもしれない。
でも、変われない俺は
どこに行っても
「就職しなきゃ」が重くのしかかる。
“俺のペース”は、
たぶん社会が許さないペースだ。
6. 「帰り道の独り言」
今日も面談で笑って「頑張ります」って言った。
家に帰る途中、
電車の窓に映る自分を見て、
「嘘つきだな」って思った。
支援先を変えても、
俺は変わらなかった。
優しい言葉で包まれても、
俺の“無理”は消えなかった。
どこに行っても、
俺は社会に合わないままなんだろう。
それを受け入れる練習を
支援先では教えてくれなかった。

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